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日本一クソなスマホを考えてみた。特徴がなさすぎて大赤字。VAIOハザードこと初代「VAIO Phone」

ふ つ う じ ゃ ん !

ソニーから独立した株式会社「VAIO」が発表した、格安SIMと合わせて使える「VAIO Phone」が話題となった時期がありました。

自分自身、当時は結構期待してました。VAIOもけっこう焦らしプレイというか、情報を小出しにして、さあすごいスマホが出るとぞと言いたげなプロモーションを行っていたのです。

一癖ある魅力的なPCが多い「VAIO」ブランドのスマホが出たら、どんな工夫やギミックが施されているかとワクワクして過ごす日々。

そしていざ発表当日。蓋を開けるとそこには…

め っ ち ゃ ふ つ う じ ゃ ん !

そう全国のソニーファン、スマホオタクから叩かれる、VAIOスマホの姿がありました。

外見は、背面にもガラスを張り、高級感のあるデザインではありますが、いかにも絵に描いたようなスマホの典型的な形。

実は、台湾製スマホのOEMだというのです。
つまりVAIOが作ったと言うよりは、台湾のとあるメーカーがつくったスマホに、VAIOがロゴをつけただけ。面白みもないのに5万円。ASUSの「ZenFone」だったら性能ほぼ一緒で2万8千円だったのに、です。

中身は、プリインストールアプリのたぐいはほぼ全てNexusシリーズに準じたシンプルなもので、「VAIO特製アプリ」みたいなものは見受けられません。

カラーは黒のみ。防水非対応。カメラは1300万画素。Android5.0を搭載。1.2Ghzクアッドコア。…「劣化Nexus6」という印象を受けたのは私だけでしょうか。

国産である以上、価格勝負は不可能です。しかし高級路線を突き詰めすぎると、本家ソニーのXperiaに「あいつ…頭高くない?」と思われますから、高付加価値路線で仕掛けてしまうと、ソニーのブランド同士が食い合いになってしまいます。処す?処す?

嗚呼、なんというVAIOハザード。

当然そんなスマホが売れるはずもなく、発売元の日本通信は12億3000万円の減収を見込み、本体は中古業者に流れ、2019年現在は販売価格1万円チョットという末路をたどりました。

そもそも、当時の格安SIMはまだまだ周知段階で普及にはまだ時間がかかっていました。LINEモバイルも楽天モバイルも当時は存在せず、IIJとかOCNとか、「知る人ぞ知る」レベルの会社が「MVMO回線」という一般人にはわけがわかんない呼び方で格安SIMを売ってました。

そんな最悪の状況で、VAIOスマホは「格安SIMという選択肢がある」ということを世に示してくれたのは確かです。

当時の国内のスマホはどれも性能がずば抜けて高い高級機ばかりで、一括価格が9万円とか10万円とかザラ。「毎月割」とか「月々サポート」はありましたが、別段高性能じゃなくても、普通に使えればいいのよという人向けに、普通のスマホ普通の料金で使えるといいね、ということで、「VAIOスマホ」が投入されたのでしょう。

そして2019年現在、そうしたライト層に向けて、シャープやHuaweiがバリバリとシェアを伸ばしておる状態。

どこに行った、VAIO。さあ出番が来たよ。出てこい。

あ、もう帰っちゃったみたいだ。PC業界に。

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デジタビ
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