Galaxy Z Fold5 を購入しました。9月に発売されたauモデルをメイン機として1ヶ月使用したのでレビューします。
「Galaxy Z Fold5」とは?
韓国サムスン電子が今夏発売した、いわゆる折りたたみスマホの最新モデル。それが「Galaxy Z Fold5」です。
折りたたむと6.2インチ、拡げると7.6インチになるのが特徴。カタログスペック上はフラッグシップモデルにあたリます。
定価は242,660円(au)。正直、円安時代でiPhoneも年々高くなるなかで、30万円でもおかしくない時流のなかでアンダー25万円は有能と感じます。
Amazonなどの並行輸入品であれば20万円程度で買うこともできますが、修理対象外になったり、中古で売るとき難儀したりするので、人を選びます。
この記事では、CPUやディスプレイサイズなどのカタログスペックは公式サイトや他のレビュワーに任せて、他の人が書かないところにフォーカスします
Galaxy Z Fold5を買った理由
いきなり自分語りしてしまいますが、自分はXperia Z(2013年)にスマホデビュー、そこからAQOUS→iPhone→Xperia→LG→Pixel→OPPO→iPhone→Pixel…と、いろいろなスマホを使ってきました。そのなかでGalaxyは代替機で使った経験がありますが、お金を出して使うのは初です。
スマホメーカー各社とも非常に魅力的な機種を出している昨今、今回のGalaxyに惚れたのは「Sペン」が使えるからです。
ライターという仕事柄、立ち話をしながらメモを取るシーンが結構多い。iPadでは大きすぎて邪魔になり、ミニは中途半端。なによりApple Pencilに充電が必要なのが、ずっと不満でした。
Sペンであれば充電不要で、Foldだったら大画面でメモが取れる!
そう思い、買った次第です。なのでS23 Ultraでも良かったんですが、大画面なほうが良いこと、そんなに値段が違わないなら折りたたみを試してみたかったことから、購入を決断。
ライターをしていなかったら25万円も出してスマホを買おうなんざ絶対思いません。7万円のPixel7でスペック的には充分だったんだから。
本当であれば「スマホトクするプログラム」(いわゆる残クレ、リース)で買うのが良いのですが、プライベートで住宅ローンの審査を控えていたこともあり、泣く泣くデビットカード一括払いにて購入。さよならボーナス。
Galaxy Z Fold5ハードのいいところ
今回の記事はハード、ソフトそれぞれのメリットとデメリットを深掘りします。まず、ハード。本体の造りを見ていきます。
「大画面を持ち歩く」に尽きる
まずは絶対に伝えたい部分から。Galaxy Z Fold5、大きいは正義!これに尽きます。
iPhone Pro MAXを検討もしくは使用されていて、Androidに抵抗ないならいっぺん触ってほしいスマホです。
折りたたむと6.2インチ、拡げると7.6インチと、数字上はあまり大きくならないのかな?と感じるかもしれませんが、画面サイズは閉じた状態から倍になります。
スマホの画面サイズは「右上と左下」のように対角線を測って算出するので、カタログスペックでは伝わりにくいのですが、実際の使用感では「畳むと一般的なスマホよりコンパクト、拡げるとiPad miniよりちょっと小さい」くらいのサイズ感です。
なので、広げたサイズはタブレット。それが畳んでポケットに入るわけですから、そのインパクトは大きいです。動画や電子書籍、メモ書きもそうですし、Qwerty入力がやりやすくなったため、外出先で「書く」用事が出たときにも便利。
これまでは長めのメールを受け取った際に「あとでパソコンで返事しよう」と思っていたのですが、Galaxy Z Fold5を使うようになってからは移動中の電車であったり、トイレに入っているタイミングであったり、スキマ時間をすごく有効活用できるようになりました。
また、耐久性について特に不安になる場面には出くわしていません。これまでは「すぐ壊れる」「非防水」「折りたたむと隙間ができる」などの情報を見てきたので避けてきたのですが、今回は防水に対応しており、折りたたんだ際の隙間は無くなりました。
少なくとも3週間つかって不具合はなく、安心して使っております。
とはいえ、過去の記事で、Pixel7が買って1ヶ月で壊れたことを書いているので、油断大敵ですが。
とりあえず、手持ちのiPad(10インチ)を使うことはだいぶ少なくなりました。
サイズは「3DS」程度
大きいという意見がけっこうあるのですが、本体サイズは「ニンテンドー3DS」とだいたい一緒か、ちょっと小さい程度です。
それぞれの長辺・短辺・厚さを比較すると、下記の通り。
長辺 | 短辺 | 厚さ | |
Galaxy Z Fold5 | 154.9mm | 67.1mm | 13.4mm |
new ニンテンドー3DS | 142.0mm | 80.6mm | 21.6mm |
重さはGalaxy Z Fold5も、new ニンテンドー3DSも、全く同じの約253g。家に3DSがある人は試しに持ってみるとイメージが湧くかもしれません。
どうしても比較対象が通常のスマホになるので重く感じるかもしれませんが、バッテリー4400mAhと比較的大容量の電池と、カメラ5台、ディスプレイ2枚、その他精密機器を詰め込んで253gは軽量化を頑張ったと思いますが、どうでしょうか。
カメラは画質とズーム性能に満足、あとスタンドにもなる
カメラは、望遠せずに使うのであれば、これまで使っていたPixel7とそこまで変わりません。PixelシリーズはAI補正が上手なので、本体性能があまり高くなくても、きれいな写真が撮れていました。
Galaxy Z Fold5のカメラが真価を発揮するのは、望遠撮影をしたとき。30倍ズームまで対応します。さすがに粗は出るのですが、こちらもAIが補正するのか、見るに耐える画質です。
また、動画やタイムラプスの撮影をする際、本体を90度に折りたたむことでスタンドのように使えるのも良かった点の1つ。電車の窓から流れる景色や、ビルの高層階からタイムラプス撮影をするときなんかに便利です。
電池持ちは普通
電池は期待を超えるものではありませんでした。
持ちは良いほうですが、朝にYoutube、昼に仕事の調べ物、夜にゲームというガッツリとした使い方をすると、寝る前にバッテリーは10%を割り込みます。
ただし、これは買ったばかりでたっぷり使っているから減りが大きいのであって、自分の興奮が落ち着いたら1日まるっと使えるようになると思っています。
旅行じゃなければモバイルバッテリーは要らないな、というレベル感。
ベゼルが狭く、基本的に満足
ココ最近のスマホでは当たり前ですが、本体のベゼルは狭く作っています。閉じたときも、開いたときも狭いです。
そのため細かい入力作業が発生するときは、iPadのホームボタン搭載モデルに比べ快適です。
特にラクなのがゲームや、勉強アプリを使うとき。iPadでは両手で持った際に親指を伸ばしてタッチ操作をする必要があったのが、Galaxyではラク~に届きます。
個人的にゲームはあまりしませんが、「Duolingo」という外国語アプリを課金して使っており、この使い心地がめちゃめちゃ良かったために英語だけでなく中国語の勉強も始め、なおかつメッチャはかどっています。
スピーカーがシンメトリーでYouTube快適
スピーカーがスマホの上下に搭載されています。折りたたみじゃないタイプのスマホだと電話用のスピーカーをそのまま音楽用に使えたりしますが、折りたたみスマホは開いたときに受話スピーカーが裏を付いてしまう仕様から、このようなデザインになっていると予想。
ハードの悪いところ
さて、ここまでほぼ褒めてばかりですね。
もちろんPRではないので、悪いところもしっかり感じた部分をお伝えしてきます。
まず結論、致命的な悪いところはなかったのですが、「色々と不安になる」つくりなのは確かです。
折り目は気にならないが…
普段折りたたむのがデフォルトである以上、折り目は付きます。普通のスマホやタブレットに折り目がつくことはありえないので、折りたたみスマホ特有の癖というか、気になる部分であるのは間違いない。
ただ、折り目自体には慣れていきます。少なくとも動画を見ていたり、テキストを書いていて、集中力が削がれるほど変な見栄えになることはありません。
それ以上に、個人的には「到着段階で折り目がなかったこと」が気になリます。
Galaxy Z Fold5はほぼ正方形の箱に入れられた状態で手元に届きます。その際、ディスプレイはまったく折られた形跡がなく、超・まっすぐな状態です。
これってつまり、製造したスマホの折り曲げテストを一度もすることなく、出荷されたということであると理解しています。
初代Galaxy Z Foldが発売された2019年当時、折りたたみスマホが直ぐに駄目になったというニュースをいっぱい見てきており、「折りたたみスマホはオススメ!」というレビューを一切信用してこなかった自分としては、見栄えが多少悪くなってもいいから、出荷前に何度か曲げるテストをしてから出荷してほしいと思えます。
蝶番の部分が傷になりやすい
Galaxy Z Foldの左側面、ちょうど蝶番になる部分はノーガードです。ちゃんと頑丈には作ってありますが、普通のスマホだったらケースで衝撃が防げる場所を、純正カバーで防げないという問題があります。
一応、側面を保護するケースもあります。ただその写真を見る限り、なんかの業務用品かトレーニンググッズみたいなので、断念。
個人的には、多少コストが上がっても、この側面部分は傷の目立たないデザインにしてほしいと思います。
「アーマーアルミニウム」を用いていると公式ではアピールしており、おそらくすでに相当頑丈に作っているとは思いますが、例えばヘアライン加工のアルミにしてみたり、iPhone15 Proで話題になっているチタンにして、マテリアルの色を出してみたり。傷がつかないのではなく、傷がついてもいかに悪目立ちしないか?という視点があるともっと良いんじゃないかと感じています。
サブディスプレイ、細すぎ問題
これはわがままかも知れませんが、サブディスプレイは細い。iPhoneSE3とほぼ同じ横幅なのに、キーボード入力がけっこう難しいと感じます。
これはおそらく、縦に長いために重心が上のほうになり、バランスが取りにくいためかと考えます。
iPhoneSE3であれば、手のひらで包み込むように持てるため、キーボード入力の際の手の負担は少なめ。一方でGalaxy Z Fold5はそもそも3DSくらい重く、なおかつ重心が上の方なので、「握りながら入力するのがしんどい」。何度も落としそうになったり、ミスタッチしたりしました。
このあたりは、バッテリーに革命的な進歩がない限り、解決するのは難しいと思えます。「サブディスプレイ」と公式が呼んでいる以上、あくまでこの部分は補助的なもので、メインは開いた画面。文字入力もそちらですべきなんだというアナウンスだと解釈しています。
音量キーと電源ボタンが逆
ユーチューバーの「吉田製作所」はギャラクシー型が普通で、Pixelなどのレビューで「音量ボタンと電源ボタンが逆なのがわけわからない」といつも言っているのですが、Xperiaからスマホに入った自分にとっては「電源ボタンは上」とかたく信じています。
そのため、電源ボタンと音量ボタンをしょっちゅう押し間違えます。慣れると思っていたんですが、この10年、電源ボタンが音量ボタンの下にあるスマホに触れてこなかったせいか、数週間経っても一向に慣れません。
シャッターを音量ボタンで押して写真撮影してきた自分にとっては、「シャッターを押そうとしたら画面をオフにしてしまった」「画面をオフにしようとしたら電源ボタンを押してしまった」などが多発。謎の地面の写真がいっぱいあります。
指紋認証、閉じて初期設定できない
Galaxy Z Fold5には電源ボタンの部分に指紋認証センサーが搭載されています。
指紋認証ははっきり言ってよくないです。センサーそのものの出来は良いのですが、ケースを付けた状態で折りたたんだ状態での認証がかなり不安定です。
何故かといえば、Galaxyに指紋を登録する際、必ず開いた状態でなければ指紋登録の設定ができない仕様になっているため。これほんとうに謎。
開いた状態と閉じた状態で、指の触れ方は違います。ケースありだとさらに難儀。ココで問いたい。なんで開かないといかんの?閉じた状態で指紋認証の初期設定ができるように、なぜしなかったの?
Galaxy Z Fold5まとめ。そろそろ試してみてもいいんじゃない?
いろいろ良いところと悪いところを書きました。結論、「そろそろ検討してみてもいいんじゃない?」というのが1ヶ月利用時点の印象です。
使っていていろいろ不満はあります。しかしそれを補ってあまりある画面サイズ、そしてそれを折りたたみ、ポケットに入れて運べる快適さ。「戻れないほどの魅力」と書くのはちょっとオーバーなのですが、愛好家が居るのはかなり納得の出来です。
傘の折りたたみ機能は13世紀に発明されたと言います。それまでの傘は3000年以上、折り畳めないものでした。
Galaxy Foldシリーズのインパクトは、それくらい大きいのでは?と、どこかアツくなってしまう自分がいます。iPad miniとiPhoneを二台持ちするくらいなら、一度試してほしいGalaxy Z Fold5 なのでした。
なにより普通のスマホではできないことを平然とやってのけるッ そこにシビれる!憧れるゥ!
さて、次回以降(いつになるかわからんが)ソフトウェアや周辺機器についてもレビューしていきます。楽しみにお待ちいただければ幸いです。