こんにちは。デジタビです。
最近自分が会社で残業しすぎたせいか、新卒全員に8時帰宅命令が出されました。いろいろ自分が会社の足を引っ張っていて少し申し訳ない気分です。
足を引っ張るといえば、東京の交通事情も昨今の生産性向上ブームの足を引っ張っているといえます。電車は満員で、クルマは止める場所がない。
そう、そこでさっそうと登場したのが「カーシェアリング」でした。
前回の記事で私はカーシェアで大失敗をしておりますが、カーシェア自体が嫌いになったわけではないのです。
今回は「カーシェアの未来」という、あまり本を出し慣れていない大学教授が書いた本につけそうなタイトルで始めてまいります。
「カーシェアの未来」①クルマの方向性を変える?
これまでクルマは憧れであり、誰しもが持ちたがるアイテムでした。クルマがステータスであり、出世の証であり、成功の証でした。若者はクルマの雑誌を漁り、やれハチロクだ、やれスカGだと議論を交わしました。(いつの時代だ)
しかし現在ではクルマは「金食い虫」。買うのにもお金がかかるし、持っているだけで毎年50万円くらい維持費や税金でどっか飛んでくし、いいことなし。そんな風潮が昔に比べると格段に強まりました。
実際に日本人の可処分所得(税金とかいろいろ差し引いたあとの「自由に使えるお金」のこと)はバブル崩壊以降減り続けていると言われており、クルマがいらない世帯、あるいは買えない世帯が増え続けているのです。
こうして、今の軽自動車バンザイ時代が来ているわけですが…
これからはこうした小型車がカーシェア要員として、そして大型車がレンタカー要員として活躍していくのではないでしょうか。
おもしろい実例があって、トヨタ車体の製造する「コムス」という小型の電気自動車は1人乗りで最高速度60キロのミニカーがあります。これをスマホでレンタルし、出発地とは違う別の駐車場に「乗り捨て」できる社会実験が、駐車場大手の「タイムズ」によって行われています。
私も実際に乗りましたが、車体が小さいので狭い道でも自転車のようにスイスイ進めますし、一応60キロ出るので大通りでも他のクルマのじゃまになりません。しかも目新しい。(停車中に隣に停まったタクシーのおじちゃんに「珍しいの乗ってるね?どこで買ったの?と聞かれたくらい)
小さいから駐車スペースも少なくて済みますし、料金は15分206円。目的地次第では電車並みの値段で移動できます。
これなら例えば品川から豊洲に行きたいとか、二子玉川から荻窪に行きたいだとか、そうした鉄道空白地帯や遠回りしなきゃいかん移動に、新しい選択肢が生まれます。それは小型自動車で裏路地を行くというルート。これがある程度普及すれば、クルマの小型化はさらに進むのではないでしょうか。
「カーシェアの未来」②交通の便が悪かった観光都市の救世主
地方都市も、カーシェアで変わる可能性があります。
例えば城崎温泉。城崎温泉は街の中にある7つの温泉を巡る「七湯巡り」なんてものがあり、7つの湯を巡ると空から龍が降りてきて「お前の望みを叶えてやろう…」というドラゴンボール的な場面が展開するということはないのですが、ただ普通に楽しいんです。
しかしながら、この7湯がわりと離れている(それぞれ徒歩で5~15分くらい歩かないとたどり着けない位置関係にある)ため、宿が用意するバスに乗ってちょっと移動するなんてことも。
カーシェアなら、温泉の混雑度や行きたい温泉に絞って自由に湯巡りが、自由に、快適に出来ます。
あとは、交通機関のない観光地でも、「乗り捨て可」になるだけでだいぶ変わる可能性があります。先程の城崎は電車のほうがいいのですが、淡路島や能登地方など鉄道がほぼ皆無のエリアでは、観光に加えて日常の足として住民にもメリットが大きくなりそうです。ふるさと納税のお金がこうした整備に回されると面白くなりそうです。
「カーシェアの未来」③「電子マネー化」して外資に一網打尽に潰される
電子マネー化ってなんやねん、と思われたかもしれません。実際こんな言葉はありません。笑
自分の中では「いくつものサービスが乱立して、結局どれも普及せずにより便利なサービスにことごとく潰される」という定義でこの言葉を使っています。
例えばコンビニレジで使える電子マネーの表示を見てみてください。nanaco、ID、Edy、Suica、Pasumo、WAON、QuicPay、d払い、LINE Pay、PayPay…どんだけあんねん、となります。しかもこれに、ライフならラクカ、コメダならコメカ、などと店ごとの電子マネーが加わります。どんだけ面倒なことさせるねん、となり結局、QRコード決済やGoogleやAmazonに支配されていくという構図です。
これと同じことがカーシェア界隈でも起きており、例えばタイムズ、オリックス、名鉄協商、三井などがそれぞれバラバラでサービスを展開しており、業界トップはタイムズで47都道府県に展開。そしてその他の勢力が連立野党となり、個人貸出も含めてポータル的にdカーシェアがまとめている…そんな現状です。
土地とクルマが必要な点で、電子マネーよりも参入障壁は高いのでしょうが、例えば土地のあるコンビニや鉄道会社の参入も考えられますし、あるいはFacebookなんかがユーザーのクルマを登録できるようにして個人間でクルマをマッチさせるサービスなんていう自動車版TINDERを始めたらどうなるんでしょうか。なんか一気に潰される気がするんです。
そんなわけでカーシェアの未来でした。自家用車が要らなくなるのか、あるいは別の未来を生み出すのか…
まだまだわからないですが、また別の機会にでも続きを書けたらと思います。
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