「迷スマホ」。
すなわち、「買う気は全く起きないけど、なぜか憎めないスマホ」があるのです。
今回はその中でも、もっとも著名な迷スマホをとりあげます…
「iPhone5」
おい!ちょ、まてよ。Apple社さまの製品がARROWSと同類の迷スマホに入るわけがねーじゃん。
実は迷要素たっぷりスマホだった
そう思った木村拓哉さんも何人かいるかも知れませんが、
auのiPhone5に限ると、こいつは本当に迷スマホだったんです。
iPhoneは言わずと知れた、アップルのスマートフォンです。「5」の主な特徴は、iPhone4Sに比べて、画面サイズは3.5インチから4インチに拡大されたこと。
また、従来のデザインにメスが入り、それまでガラス張りでモノトーンだった背面が、 ツートンカラーのアルミ調に変化したこと。
一番の迷要素は「通信規格」
しかし、今回の肝となる特徴は、画面サイズでもデザインでもありません。
アップル社のスマホとして、初の「LTE」という高速通信規格に対応したことです。
そして、このLTEこそ、iPhone5を迷スマホとした、A級戦犯です。
あ、ちなみに今「LTE」という書き方をしましたが、
今回取り上げるauの場合は「4G LTE」が正しい書き方になります。
この4G LTEは、本来2012年12月に導入される予定だったのですが、
iPhone5の影響で大幅に前倒しをして、2012年10月からの提供となりました。
謳い文句は、「実人口カバー率96%」。
auのLTEは当時、3つの電波帯域から成り立っていました。
2.1ギガヘルツ、1.5ギガヘルツ、800メガヘルツの3本。
このうち800メガヘルツが一番つながりやすく「プラチナバンド」と呼ばれていました。
剛力彩芽や哀川翔がなどがテレビCMに出演してた頃を記憶している人も多いと思いますが、
当時は「プラチナバンドこそ最強!」という触れ込みでした。
そして、このプラチナバンドの補完として残りの2帯域が用いられ、
全部合わせて実人口カバー率96%、と言われたわけです。
プラチナバンドとauの見込み違い
この施策が、auのiPhone5を、
ピンポイントで殺しにきました。
auが一番整備を頑張って、さあ高速通信の幕開けだぜ、ソフトバンクやドコモには負けんぜよ、と、せっせと準備してきた800メガヘルツ帯域。
iPhone5は、
対応を見送ってしまったのです。
iPhone5はなんと、日本国内では1.7GHzと2.1GHzのLTEしかサポートしなかったのです。
それはまるで、ハンバーガーの肉抜き。
一番金をかけた設備がすべてiPhone5の前にパアになってしまったのです。
これにより、実人口カバー率96%だったはずのauのLTEは、
iPhone5ベースだと14%しかカバーできておらず、全然LTEが入らないという事態に。
頼みの3Gもボロボロ。
更に運の悪いことに、800メガヘルツ帯を整備するのにあわせ、
元からあった3G(CDMA)の設備を縮小していたという噂がありまして。
新たに整備したLTEが使えないiPhone5の電波が、設備を縮小し貧弱になった3Gに集中して、ネット自体に繋がらないという事態も起きたみたいです。
その繋がりにくさに利用者は呆れ、auのLTEデビューは散々な結果となったようでした。
まとめ
そんなわけで、みなさんがお使いだったかもしれない「iPhone5」は、実は迷スマホだったんです。
あなたのスマホにも、迷要素があるかもですよ。(ΦωΦ)フフフ…
ちなみに、iPhone5S以降は、iPhoneもプラチナバンドに対応したためこの問題は解決されています。
今からauショップにiPhoneを買いに行く人は心配しなくていいですよ!
[…] […]