2世代前のiPhone、iPhone8の売れっぷりがすごい、という話をしましょう。
毎週発表される「BCNランキング」。BCN社が運営するこのランキングは、スマホなど電子製品の販売数を毎週のように発表するサイトです。
トレンドになりがちな製品の売れ行きをウォッチするにはピッタリのこちらのサイトですが、スマホの部門をみるとなんとも異様な光景が広がります。
2019年の7月であるにもかかわらず、売上1位が「iPhone8」なのです。
その理由を探ります。
低価格
まずいちばんの決定打になっているのが、価格でしょう。
2019年7月現在、最新機種であるiPhoneXsの端末価格はソフトバンクでの購入で136,800円。2年間の分割払いで購入する場合は5,700円になります。
一方のiPhone8であれば、端末価格は86,400円で5万円以上の節約になります。
2年間の分割払いにした場合、毎月3,600円。この価格は機種変更でも新規契約でも乗り換えでも変わりません。
毎月の出費が2,000円も変わるのであればiPhone8で良いだろう、という心理が働いているのがわかります。
逆に、2000円多く払って最新のXsを持つ理由が少ないと考えることもできます。
ホームボタン
また、旧来の機種から買い換えることを考えた際に、iPhone8はホームボタンを搭載しているため、買い替えた際に操作が変わらないという安心感も少なからず影響しているのではないでしょうか。
iPhoneX~Xsのモデルは、本体下部から画面の中心に向けて画面をスライドさせる「スワイプアップ」の動作がホームボタンの代わりになります。
もちろん使ううちに慣れる機能ですが、心理的なハードルはXsよりiPhone8のほうが低く、iPhone8購入を後押しする要因の一つになっていると考えられます。
iPhone8でも十分高性能
さらにiPhone8はiPhoneXと同一の「A11 Bionic」と呼ばれる64ビットSoCを搭載し、いわゆる置くだけ充電にも対応。ある程度の耐水性能もあり。カメラや電池持ちも極めて無難な作りです。
イヤホンジャックがないことは未だに賛否両論ありますが、付属のEarPodsはライトニング端子に対応していますし、付属のアタッチメントでライトニング端子と3.5ミリイヤホンジャックをつなぐことができるので、直ちに困ってしまうことはないはずです。
こうした性能面でもiPhone8が「十分」と思わせるほどの出来であることがわかります。iPhone6以来のiPhoneデザインを搭載してきた集大成モデルであるがゆえにiPhoneXsの不信を招くさまは、自身が有能すぎて後輩が育たない部署の課長みたいな、かっこいいような哀愁があるような、そんな愛しの機種なのでございます。
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