20年度のモバイル業界まとめ。波乱の展開に目が離せない。
楽天はこれからどうなる
楽天モバイルの参入は今年起こる大きな変化の一つとなるでしょう。
個人的には楽天よりもAmazon派ですが、Amazonはかつて「Fire Phone」というスマホを出して盛大にずっこけたこともあり、楽天の動きは注目しています。
少なくとも「Rakuten mini」はFire Phoneのようながっかりスマホではないので、国内にイーモバイル・格安スマホ以来のビッグウェーブ来ちゃう?と、ワクワクはしているのですが、問題はその初動。
楽天は昨年のうちにもサービスを開始するという話でした。
しかし、実際行われたのは、希望者を募っての無料体験会。しかも実用には遠いものでした。
例えば、現代では当たり前となった地下鉄での利用ができなかったりなど。
例えば自宅も職場も銀座みたいな、かつてのホリエモンみたいな人であれば、現段階でもわりと使えるのかな…とか、そんなレベルです。
それでも、楽天の通信網が整備されれば、すなわち4G回線の価格破壊が起こります。従来の半額で使い放題というプランは格安スマホでもカウントフリーなどで見られますが、自社で通信網を作ることで昼休みや夜間の通信速度もしっかり出せて、「安く快適」という意味で貴重な回線になるのではないでしょうか。
なぜこれが可能になったかというと、三木谷さんがよく話す「完全仮想化」というものがあります。
これまでスマホの通信を司る基地局にはアンテナのほかにさまざまな専用機が細かく用意されていました。
これを仮想化、つまりソフトウェアで動かすことで、設備コストを大幅に抑えているんです。
サーバーの保守管理の人らに話を聞くと、3キャリアの保有する施設は数十年も前から更新されておらず、2GBのHDDじゃないと機能しないとか、それでわざわざ作られてもいないような低スペックかつ高価なHDDを仕入れて保守したりとか、まあひとことで言ってしまえば、大変な状況が続いています。
楽天はこれをなくそうとしているわけです。例えて言えばこれまでカメラもラジカセも音楽プレーヤーもぜんぶバラバラで持っていたのを、すべてスマホに一本化して荷物を減らしたイメージ。これによってそれぞれの家電を買う必要がなく、アプリを入れればその機能が使えるといった具合のことを、通信網というインフラでやろうとしているわけです。
また楽天が通信に本格参入すれば、これまで楽天のサービスを積極的に使ってきた層は更にポイントが溜まったり、サービス利用が快適になることも考えられます。今年いっぱいは見守るのが良さげですが、来年の今頃には「UQやYmobileから、今すぐ乗り換えろー!」となっているかも。期待です。
5Gの普及
さて、そんな楽天を鼻で笑うかのように、大手3社が続々と5Gを開始しました。
しかし、こちらもサービス開始エリアはごくわずか。スカイツリーとか、銀座周辺とか、ショップの中とか、まさしく「点在」の様相。
5Gは4Gよりもより高密度にアンテナを建てる必要がある規格ということは聞いているので、通勤通学にネットを使う我々庶民にとってはすぐに飛びつくものではありません。
とはいえ、これはLTEサービスの始まったころも似たようなもので、2010年のdocomo報道発表資料を見ると開始当初のXi通信網はかろうじて山手線の中と、主要都市部、あと羽田成田と横須賀と…程度でした。
それが、10年で地下も含めて日本のほぼ全域で利用可能に。auなんかは最新スマホで3G対応しているのないからね。本当に、人のいる場所にはキャリアの通信網があって、4Gがつながるという世の中になりました。速度も理論値ですが45倍まで出るようになっています。(37.5Mbps→1.7Gbps)
2012年ごろまでは3Gスマホも珍しくなかったので、5G時代になっても当面は高級な5G対応スマホ、低価格の4Gスマホと差別化されるでしょう。3G→4Gのときは2010年にサービスが始まり、2012年までは3G専用スマホが出ていました。5Gはさらに高規格となるため、向こう3年ほどは非対応スマホが低価格スマホとして出てきてもおかしくありません。
新型iPhone 現時点での噂まとめ
コロナウイルスの影響で発表が延期などされていますが、モバイル業界において新型アイフォン(iPhone SE2/iPhone9)はもはや出るものと決めつけられている感があります。
SEは3月発売だったので、これがコロナのせいなのかアップルの気まぐれかはわかりませんが、もし出るとしたら
・廉価版 価格は4万円台?
・名称はiPhone「SE2」、または「9」の可能性が高い
・iPhone8とほぼ共通の部品、スペックは8より向上
もともと4月5日の発表説が濃厚でしたが、コロナのためか音沙汰のない状況が続いています。
アップルなんだからオンライン発表会くらい容易いと思うのですが、それでも発表しないということはそもそもサプライチェーンが機能不全に陥り、物流も滞りがちな中で、スムーズな発売を現時点で諦めているということでしょうか。
そうなると、iPhone11s(?)の発表・発売も遅れるのでは。例年9月の発表、発売だったiPhoneがコロナによって初めてペースが崩されようとしています。