さて、2013年から2018年の、Xperiaをたどります。
皆さんは、「Xperia」と聞いて、どんなものをイメージするでしょうか。多分こう…板状で…ガラス張りで…銀色ボタンが右側についているやつ。そんな感じなんでしょうかね。
たしかに歴代Xperiaは、非常に似たり寄ったりでした。ここ5年くらい、デザイン哲学は変われど、「カメラと音楽に注力」「一枚の板デザイン」「右側に電源ボタンと音量キー」という部分に変化はありませんでした。
それが次の「Xperia XZ2」で大幅チェンジになるようなので、その記念も兼ねて、記事とします。
Xperiaの流れ、概要。
Xperia、という名前自体は、2008年からあり、当時は生意気にも(?)ウィンドウズを搭載するスマートフォンでした。
その後、Androidを搭載するようになり、「ソニー・エリクソン」の「Xperia」としてブランドを構築していきます。
そして「Xperia Z」の登場で、日本国内ではシェアも知名度もグンとあがったわけであります。
Xperiaヒストリー
さて、Z移行のXperiaは、大きく3系統、3形態に分けられます。
1 Xperia黎明期。いろんな形のXperiaがありました。
初期のXperiaは多く語るつもりはありません。
なぜならコンセプトが迷走しすぎて、分類ができないからです。
たとえば超小型の「Xperia ray」プレステが遊べる「Xperia Play」2画面の「ソニータブレットP」…
まるでベンチャー企業のように様々なプロダクトを生み出しては、スベって店で投げ売りされる日々を過ごしていたようです。
2 Xperia第一形態。話題を呼んだ「Z」~ポンコツ「Z4」
そんなXperia、2013年初頭に「Xperia Z」を発表します。
これはそれまでのデザインをすべて見直したモデル。ソニーの「Z」はフラッグシップモデルを意味するため、その注目度は高かったのです。
研ぎ澄まされたガラスの1枚板を思わせるボディに、約5.0インチの超高精細フルHDディスプレイ。逆光に強い「HDRビデオ」を実現する新しいイメージセンサーを搭載した約1310万画素カメラ。
最先端テクノロジーから基本機能まで、約7.9mmの薄型フラットボディに凝縮したフラッグシップモデル。(Xperia Z公式ホームページより)
そんなXperia、Z以降に国内キャリアで生まれ、Zのデザイン哲学を踏襲していったのは、Z,A,UL,Z1,Z1f,Zultra,Z2,ZL2,A2,Z3,Z3c,Z4,A4,J1 compactの14機種(たぶん)。
さて、これほど多くのXperiaを一体どうやって見分けるのか。さすがに一つ一つは紹介しきれないのですが…それぞれの見分け方を紹介します。
☆サイズで見分ける
基本的に第一形態のXperiaのフラッグシップは5インチ〜5.2インチの大画面です。
初代・Xperia Zの時点でiPhone8よりも画面サイズが大きく、手のひらと同じサイズくらいのでかさ。
Z1,Z2,Z3,Z4と、UL,ZL2もだいたい同じくらいのサイズなので、この時点で随分絞り込めます。
サイズ違いの機種が見つかった場合、長財布くらいのXperiaだったらそれはXperia Z ultraで100%間違いないでしょう。
これは、6.4インチの「ファブレット」として開発された、タブレットを除いた最大サイズのXperiaです。
挟額縁ではなかったので持ち運びには苦労したとか、しなかったとか。オタクっぽい風貌の人にも人気でした。自分含め。
小さいXperiaも当然存在します。シルバーの電源ボタンが本体の中央より下にあればXperia A、そうでなくてベゼル(スマホの縁の部分)が広ければXperia Z1fまたはA2、サイズが同じでも縁が狭ければZ3compactかA4です。
☆色で見分ける
Xperiaの中にも、その機種にしかないオリジナルカラーが存在します。例えば、水面のような透き通った水色ならばZL2、初音ミクの色でテカテカしてたらZ3 compact、同じミク色でマット調の仕上げだったらXperia A。
オレンジ色・ラベンダー色ならA2、ビビッドな黄色だったらZ1f、ビビッドなピンクでマット調の仕上げだったらUL、逆にテカテカしてたらZ1f、ハムみたいなピンク色または藍色だったらA4…ふう疲れてきた…
白いXperiaで、正面というかディスプレイ側まで白くなっている場合、それはZ3,Z4,Z3 compact,A4のいずれかになります。
☆話を戻して。
さて、以上がXperiaの見分け方講座でした。
この間にもXperiaは、充電やイヤホン部分の防水キャップが撤廃されたり、フィルムに印字されていたドコモのロゴが本体に印字され消せなくなったり、わずかながら着実に変化していきました。
そしてXperia Z3は、それまでのXperiaの中でもかなり完成度が高い部類となり、端末価格と合わさって大人気機種となりました。
しかし、次のXperia Z4では、搭載CPUの発熱が非常に多く、本体が熱い上に電池が持たず操作もカクつく、非常に出来の悪いスマホとなりました。
3 Xperia第二形態。指紋認証と、人の「暮らし」に準拠したコンセプト「Z5」~「XZ1」
そんなXperiaは、Z5でデザインにわかりやすい変化が起きました。
それまでテカテカ高級感だった本体がくもりガラスのようなサラサラ感となり、丸く銀色だった電源ボタンが、縦長の指紋認証機能を備えたボタンに変わりました。
また同時期発売の「Z5 premium」では「4kディスプレイ」を搭載。高精細さは世界一となりました。
そしてそのデザインを踏襲しつつ、Xperia Xシリーズへと変化してゆきます。
大きな変化点としては、性能重視から使いやすさ重視への転換が挙げられます。
性能はGalaxyなどに遅れをみせるものの、堅実なカメラ性能や劣化しにくいバッテリーなど、この頃のXperiaのものづくりには好感がもてるものではないでしょうか。(あくまで主観ですが)
その後、XZsでスーパースローモーション、XZ1で3Dスキャンなど、カメラを中心に新しい使い方を増やしていきましたが、果たしてユーザーはこの機能を使っておるのでしょうか…???
この頃からなんとなくXperiaが迷走し始めます。
とはいえこの頃には既にドコモauソフトバンク、すべての大手キャリアで大人気のスマホとなり、Androidで迷う人にはとりあえずXperia勧めとけばいいや、という程度にはブランドが出来上がっておりました。
特に2016年には、Galaxy Noteが突然発火するなどの不具合を多く出していたこともあり、安心できるスマホとしてXperiaは選ばれる存在になってました。
世界経済が不安定だと円が買われるように、海外スマホがポンコツだと国産スマホは安牌として扱われるなぁ、と、ドコモショップの現場でつくづく感じる日々でした。
新型Xperia!Xperia XZ2シリーズ
4 Xperia第三形態。どうなるXperia。がんばれXperia。
さて、そんなXperiaも、XZ2でスマホのトレンドを抑えた18:9比のディスプレイが採用され、デザインもそれまでの板切れから丸みを帯びたものになりました。
…えっ、ダサくない…?
まあ、きにしないでおきましょう。
☆XZ2のいいところ・振動
今回最もいいところとして、本体の振動機能が進化し、音に合わせて本体が振動する、という機能が追加。
画面も大型化しましたし、動画がこれまで以上に楽しくなりそうです。
ところで、Xperia Z2以降、私がずっと主張してきているXperiaの長所が「ステレオスピーカー」が搭載されているということです。もともとXperiaの音の迫力はすごいんです。
そこに振動という新しい機能が加わったことで、音楽や動画はかなり楽しめそうです。
☆XZ2のいいところ・デザイン
ただこれ、新しいデザインと相性があまり良くないんです。丸みを帯びたデザインは、机に置けばハンドスピナーのごとくクルクル回ります。トレンド抑えてるね!
このハンドスピナーのせいで、振動機能がオンになったまま傾いた机の上で動画を再生していると、いつの間にか落っこちます。小さいお子さんのいるご家庭は注意。あと私みたいに洗面所とかで使う人も注意がいるな。
さて、次の変更として、指紋センサーが背面へ移動し、カメラも裏面中央に移動しました。このため、一見Xperiaには見えないデザインとなっています。
どちらかと言うと、ちょっと前の富士通「arrows fit」みたい。あの何もしなくても画面が割れる、伝説の名機種とうり二つなのです。
☆XZ2のいいところ・指紋センサー
なお、指紋センサーはありがたいことに、指紋を登録すれば指を置くだけでロック解除できるようです。一方、電源ボタンと一体化することはなく、これまでよりもシンプルな電源ボタンは今までの位置に残りました。一体化すればよかったのに。
☆XZ2のいいところ・イヤホンジャックはどこ…?
さらにイヤホンジャックはiPhoneをパクったのか廃止されてしまいました。これまでノイズキャンセリングイヤホンを使っていた人には痛い仕様です。
無線タイプもありますが、ぶっちゃけ高いし、電池すぐなくなるし、接続も切れやすいので残しておいたほうが良かったのでは…?と思います。
さあ、どこへ向かう、Xperia。どこへ行ってしまうんだ、Xperia!!
以上!