楽天モバイルは利用者向けに、万が一スマホが壊れても6000円で交換対応をする「 スマホ交換保証 プラス」を行なっています。
さて、問題です。
この保険、必要ですか?不要でしょうか。楽天モバイル版携帯補償の損益分岐点を考えていきます。
スマホ交換保証 プラスとは
スマートフォンが故障・紛失した時に、最短で当日に新品同等の同一機種を受け取れる楽天モバイルの携帯補償。それが「スマホ交換保証プラス」です。
MVMOの楽天モバイル時代に「スマホ交換保証」というサービス名で月額500円の保険としてスタートし、MNOの楽天モバイルに変わってからは制度をほぼそのままにちゃっかり値上げ、650円で提供しています。
携帯が壊れた際の交換料は6000円。つまり携帯が故障・紛失した際に携帯をまるまる買うことなく、6000円だけ払えばまた新機種を使えるようになるということです。
また、東京23区内へは申込みから4時間以内に交換機を届ける「4時間スピード配送」という有料オプションを用意しています。
おそらくバイク便かなにかに乗っけて行くのだと思いますが、日中9時~17時の間に申し込めば、3300円の追加をするだけで即日、新しいスマホを使用できるように。
ちなみにドコモも「エクスプレス配送サービス」という名称で2019年から実施しています。15時までの申込みで買った当日に家までスマホが届くよ。
https://network.mobile.rakuten.co.jp/service/replacement-warranty-plus/
https://sumaho-susume.com/express-delivery-docomo-onlineshop
スマホ交換保証 の注意点
楽天モバイルの補償は、内容自体は良いのですがところどころにケチなポイントがみられます。
端末購入時のみ加入可能、利用年三回
大手キャリア同様、携帯補償に加入できるのは端末購入時のみです。
具体的には新規契約時、機種変更時。つまり楽天モバイルで買わなかった端末も保険の対象外となります。
契約・解約時に日割りにしてくれるのはありがたい。
また、楽天モバイルのスマホ交換保証プラスは、1契約につき年3回までと決まっています。また盗難・紛失は2回まで。
回数が異なるのは、単純に紛失や盗難が頻繁に起こるわけないだろうという楽天の考えもあると思いますが、それ以上に故障した交換機種が手元に戻らない=パーツ取りができない という面から、楽天側の損失リスクを軽減したい思惑があると思われます。
新品が来るとは限らない
楽天モバイルのサイト説明文を読むと、
「スマートフォンやモバイルルーターの故障・紛失時に、最短で当日に新品同等の同一機種を交換品としてお届けします。」
とあります。
この「新品同等」というのが曲者で、新品ではありません。新品のような中古、つまりリファービッシュ機がやってくる可能性があります。
リファービッシュとは、メーカーに返品されるなど、消費者の手に渡らなかった製品を、メーカーが再度調整・修理して再出荷したものです。
つまり新品よりも値段は安く上がりますが、例えば誰かが使って故障したものを再利用していたり、店頭の展示品として使用されていたものを再生したりと、使用感がある可能性も否定できません。
メルカリではありませんが、神経質な方はご遠慮ください、という立ち位置の機種です。
「保証対象外」の事例が意外と多い
ドコモの「携帯補償サービス」であれば、紛失や盗難、故意の破損でも交換の対象となります。どんな壊れ方をしても交換してくれる懐の深さがあるとも言えます。
一方で楽天は利用規約内において、「こういう場合は保証しません」というルールを定めています。
その中で、楽天が「保険に加入していても保証しない」としている事例は以下の通りです。
- 故意または重過失(わざと壊す等)
- 昆虫等に起因する故障
- バッテリーおよび製品本体以外の付属品に関する場合(電池がすぐ切れる等)
- 汚損、擦損、塗料の剥落
- その他外形上の損傷に起因する場合
つまり「電池が持たなくなったから交換しよう」「傷がついちゃったから(まだ使えるけど)交換しよう」という考えで申し込んだ場合、楽天に利用拒否されても文句は言えない契約内容になっています。
また「昆虫」という項目がなぜ入っているか謎です。虫にスマホを食われたりするのかなあ。
(実際はどうなのか、利用者の報告をお待ちしています)
損益分岐点を分析、フラッグシップユーザーは検討余地あり
さてここから本題。
「楽天モバイルのスマホ交換保証プラスは入るべき?」
私は、「入らなくても良い」という立場で書き進めます。
楽天モバイルのラインナップをみると、定価3万~5万円の比較的低価格機種が多く並んでいます。
そのため、保険料が定額である以上、フラッグシップモデルの選択肢が少なくミドル以下の選択肢が多い楽天モバイルのラインナップでは、保険の利用メリットが薄いと言わざるを得ません。
なお、楽天モバイルにおける20年12月時点でのラインナップは、以下の通りです。
【楽天】
- Rakuten Big 63,455円
- Rakuten Hand 18,182円
- Rakuten mini 17,000円
【SHARP】
- AQOUS sense4 lite 29,819円
- AQOUS sense4 plus 39,819円
- AQOUS sense3 lite 23,619円
- AQOUS sense3 plus 34,528円
- AQOUS R5G 117,091円
【OPPO】
- OPPO A73 28,000円
- OPPO Reno3A 36,182円
- OPPO A5 2020 20,019円
- OPPO Reno A 35,273円
【SAMSUNG】
- GalaxyS10 65,437円
- Galaxy Note10+ 89,982円
- Galaxy A7 17,000円
【その他】
- Xperia Ace 34,528円
- arrows RX 18,182円
- HUAWEI nova 5T 54,364円
スマホ交換保証 プラスの損益分岐点は
端末を2年使うと仮定して、その中で1回スマホを壊す仮定でシミュレーションしてみます。
Rakuten mini/handは原則不要
保険の支払総額は650円+税で715円。
2年間で17,160円となります。
この時点で楽天mini、Galaxy A7は無条件で「保険を使ってはいけない機種」となります。保険を使うくらいなら、故障時にそのまま新品を買い直せばいいんです。
また、交換を依頼する際に6,000円+税の費用が発生するため、保険+交換費用で23,760円が最低かかります。
Rakuten hand、AQOUS sense3 lite、OPPO A5 2020、arrows RXのあたりが「保険の旨味がない機種」になってきます。
それでは3万円以上の機種はどうなるのか。
ここからは、スマホを壊す確率を深堀りしながら考えます。
楽天いわく、3人に1人はスマホを壊してる!だからあなたも保険をつけようね!とのことです
が、
正直にいってこれだけでは数字のトリックです。
例えば過去何年のうちにスマホを何台壊したかまで分かれば、より詳しい統計はできます。
しかし、スマホが世に出て早くも10年、仮に10年間スマホを使っていて1回だけスマホを壊したという場合は「3人に1人」というロジックがどことなく心許ない結果となります。
だって仮にみんなが10年スマホ使っていて、そのうち3人に1人しか壊さないならば、日本人が必ずスマホを壊す確率は30年に一回ということですから。
そして、仮にアンケートに答えた皆さんが律儀に2年に一度スマホを買い替えていて、スマホ歴が10年の場合、3人に1人が、5台のうち少なくとも1台を壊している計算になるわけで、これもまたスマホを必ず壊す確率は15台にひとつとなるわけです。
そんなわけで、スマホ歴を無視して「3人に1人が壊す!」というのは、嘘ではないにせよ誇大広告スレスレです。この記事にたどり着いたのも何かのご縁、保険選びは慎重に。
個人的に、「Rakuten BIG」「AQOUS R5G」「Galaxy Note10+」など高単価機種に関しては保険加入も選択肢かと。
「わらしべ」は可能?
続いて、スマホ保険の大きなメリット「わらしべ」を考えます。
わらしべとは、携帯の保険を使い、交換費用だけで新型機種に機種変更してしまうという、スマホ業界のある意味「裏技」的なもので、2ちゃんねる(5ちゃねんねる)では日々絶えることなく、どうしたらより良い機種に交換ができるのか、多くの人が知恵を絞っています。
わらしべを使えば、新機種を買うよりよほど安く新型機を入手できるほか、中古で手放す場合も保険で新型機に変えてから売り出すことで査定額をアップさせることもできちゃうのです。
楽天モバイルの規約をみると、わらしべ自体は有り得そうです。
保証対象製品と同一機種(同一機種が在庫にない場合は、同等の楽天モバイルが指定する機種の中からご選択いただき、ご選択いただいた機種の交換品)と交換いたします。楽天モバイルが指定する交換品は、予告なく変更される場合がございます。
交換品として、メーカー・型番・色など、契約者のご希望に添えない場合もございますので、あらかじめご了承ください。
その一方で、先述の規約のうち「故意または重過失」「バッテリーおよび製品本体以外の付属品に関する場合」「汚損、擦損、塗料の剥落」などが保証対象外であることが気がかりです。
「もう古くなったので補償で交換したい」
「電池持ちが悪いので保険を使いたい」
という利用客の要望に、楽天モバイルが応えない、という可能性があるのです。
こうした、「楽天がどれほどの顧客サービスを提供してくれるかわからない」というリスクから、私は、「入らなくても良い」と改めてお伝えしたいと思います。
“Should Rakuten Mobile’s Smartphone Exchange Guarantee Plus be included?”
I will write from the standpoint that I do not have to enter.
Looking at Rakuten Mobile’s lineup, there are many relatively low-priced models with a list price of 30,000 to 50,000 yen.
Therefore, as long as the insurance premium is a fixed amount, the Rakuten Mobile lineup, which has few options for the flagship model and many options for the middle and lower, has little merit in using insurance.
The total insurance payment is 650 yen + tax of 715 yen.
It will be 17,160 yen for 2 years.
At this point, Rakuten mini and Galaxy A7 are unconditionally “models that should not be covered by insurance”. Instead of using insurance, you can just buy a new one when it breaks down.
In addition, since the cost of 6,000 yen + tax will be incurred when requesting exchange, the minimum cost of insurance + exchange cost is 23,760 yen.
Rakuten hand, AQOUS sense3 lite, OPPO A5 2020, arrows RX will be “models without the taste of insurance”.
[…] 楽天モバイルの携帯補償を徹底検証! […]