月額課金サービス、いわゆる「サブスク」型サービスが少し前にブームになっていたのはみなさんも記憶にあたらしいのではないでしょうか。
よく聞く動画や音楽、クラウドストレージなどのデジタル系サービスに加えて、
ラーメンの月額食べ放題サービス、
弁護士の月額保険など…
商魂たくましい人々が似たりよったりなサービスから奇想天外なサービスまで、作っては消え、作っては消え、を繰り返しました。
こうした月額課金サービスを、何年も前からしぶとくやってきたのがいまの大手携帯キャリア、3社です。
ドコモのサブスク型サービスの変遷
もともとこうした月額課金サービスは、携帯を買い替えたときなどにオプションで勝手についてくるお邪魔虫な存在でした。
みなさんも携帯を買い替えたときに、画面いっぱいに広がる有料オプションサービスの数に辟易した経験があると思います。
また私の場合、最も現場にいた2014年〜2016年はMNP、つまり乗り換え合戦が盛んに行われており、
私「割り引くからオプション入ってくださいお願いします」
客「おっけー」
が、通用していたのです。
(こういうの誰も矛盾しているとは思わなかったのでしょうか)
しかし、こうしたオプションは2016年頃から徐々にコンテンツ力を高め、「コンテンツ」として普及しはじめました。
ドコモの話をすればdマガジン、dアニメストア、「ダゾーン」など。
こうしたサービスが徐々に「良い」ものとして認知され始めたのです。
で、
今やAmazonプライムに入っている人を普通に見かけるようになり、石を投げればプライム会員に当たるんじゃないか、そんな時代になりました、Amazonが他よりもうまい具合にサブスク型サービスをやってしまったのです。
実際、dTV dヒッツ dマガジン…合計で1400円/月相当のサービスを、
年間3900円、月換算で330円弱を払えばほぼ同等で利用できます。
そう、Amazonならね。
さらにお急ぎ便もついてくる。クラウドストレージもついてくる。
コスパ良すぎかよ。
またNetflix(ネットフリックス)も一時期かなりブームになりました。オリジナル作品が面白いと評判になったからです。
そんなわけで、価格競争にコンテンツ力にと、ドコモはぶっちゃけ苦戦を強いられています。
セットで契約しても、一部を除き価格は下がらず、なけなしのdポイントがもらえる程度。
そしてオリジナルコンテンツはせいぜいライブ映像に銀魂のスピンオフ、漫画程度。そんなわけで、
漫画でも読まない限りは、あまりdTVの強みを感じないわけです。
dヒッツも、SpotifyやApple Musicと比較すると人を選ぶサービスですし、dマガジンには楽天マガジンというライバルがいます。
だからこそかなりのインパクトある作戦が必要となるわけですが、
ここらでソフトバンクをパクってみてはどうか、
という私からの提案をしたいです。
そもそもソフトバンクのウルトラギガモンスターとは。
要はソフトバンクのウルトラギガモンスターという料金プランをパクって、かつ月額使い放題サービスを使う場合は通信をカウントフリーにしてしまう、というやり方です。
50ギガを使えて、かついくつかの動画サービスやSNSをカウントフリーとする料金プランです。
カウントフリーになるのは、
LINE
Facebook
Twitter
Instagram
TikTok
のSNSと、
YouTube
AbemaTV
GyaO!
Hulu
TVer
の動画サービス。
私はこの料金プランが出たとき、やってくれたソフトバンク、新たな時代が到来した!と、それまであまり冴えなかったソフトバンクの思い切ったプランに感動した記憶があります。
しかも、ドコモやauは追従してない。これまで三社が横並びだったプランに、おおきな楔を打ち込んだのです。
早くパクれ、ドコモ!…と、思ったのは言うまでもありません。むしろドコモこそ、このプランがぴったしなのです。
理由は「使い放題のサービス」と「使い放題の環境」がセットになるから
もちろん、闇雲に真似をすればよいわけではないでしょう。
自分が言いたいのは「パケット使い放題」と、「コンテンツ使い放題」がめっちゃ相性いい、ということです。
たとえば「通信使い放題」というのは、自社回線を持たないAmazonやNetflixや、(いまのところ)楽天が追従できないやり方です。
dTVがAmazonプライム・ビデオに内容で勝てなくとも、ネットの使い放題がセットになれば、他社よりもコンテンツを強く売り出せます。
コンテンツもネットも使い放題だからね。
今年以降、5G回線が普及すれば通信量にも余裕ができると勝手に思っているのですが、その余裕はユーザーがより多くの通信を使えるようになる、ということ。
さらに、ドコモはまもなく料金プランを大きく刷新する予定です。
某官房長官が、スマホ料金は4割値下げできる、なんて言ったせいで、ドコモは通信量を4割ほど値下げする見込みです。
しかし、値下げをする前に。…つまり、みんな月一万円のスマホ料金に慣れているうちに、多少高額になっても使い放題プランを設定しておくことで、客単価(モバイル業界では「ARRP」という言い方をする)を下げずに済むのです。
じゃあ、なぜドコモがやらないのか。
ソフトバンクが使い放題をできるのに、ドコモが技術的にできないはずがありません。通信インフラはソフトバンクよりドコモのほうがよっぽど整備されているからです。
しかしドコモには、「ドコモ光」があります。モバイル回線を使い放題にしてしまうと今度はドコモ光が売れなくなってしまう、だからやらないのではないでしょうか。
実際、ドコモ光はスマホとセット料金にすることで、地域によってはほかのどの回線よりも安く、かつ高速通信ができるサービス。もちろん通信制限もありません。
だからぶっちゃけ、すごいおすすめではあります。
家族みんなでつかうとか、パソコンやタブレットも一緒に使う、というユーザーにとってはモバイル使い放題よりも、Wi-Fi回線で自宅ならどのデバイスも使い放題になる環境のほうが嬉しいのではないかと思いますし、ドコモもこっちの方が儲かります。ついでにいうと母体のNTTもこっちのほうが儲かります。
だからウルトラギガモンスターのパクリはやらない、と思うのですが、これからの5G回線の普及、加えて値下げをすることによって有料コンテンツからの収益が重要視されるようになってくる今後、ソフトバンクのウルトラギガモンスターを真似たほうが結局良い、そんなユーザーも増えることでしょう。
今後のドコモのプラン、どう変わっていくか要注目です。