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さて、問題です。日本一「面白い」駅はどこでしょうか。③ついたあだ名は「要塞」、京急蒲田駅

今更ながら京急の話題です。まるで見たことのない駅の作りはいっそ美しさもあります。京急蒲田です。

田園調布や羽田空港と同じ大田区にありながら、どことなく下町のような安心感を感じる街、蒲田。ここは前々回の名鉄名古屋駅や、前回の大和西大寺駅と同じターミナル駅で、東急の池上線、多摩川線、JRの京浜東北線、京急の本線と空港線が集まる街です。

とはいえ、東急JRと京急は800mほど離れており、駅名も蒲田と京急蒲田で異なります。乗り換えには少し不便なため、蒲田と蒲田を結ぶ「蒲蒲線」なるものがわりと本気で計画されています。

さて、蒲田の大雑把な概要がお伝えできたとこで、京急蒲田の「面白さ」にお付き合いいただきたいです。

かつて、駅伝選手に泣かされた駅。

京急蒲田はもともと「蒲田」駅として1901年に作られ、国鉄(現・JR)に蒲田駅が作られたため「京浜蒲田」、ついで「京急蒲田」と名称を変えてきた歴史があります。この京急蒲田は様々な歴史を飲み込んで渦巻く、戦場のような駅であるといえます。

ここ、京急蒲田から分岐する空港線は、かつて蒲田駅を発車した直後に大きく左に曲がり、並走する国道15号線(環状八号線)を踏切で渡っていました。この環状八号線は箱根駅伝のコース上。駅伝本番になると選手が走ります。そして駅伝本番になると、

踏切で電車を止めます。

車ではなく電車の方を止めていたのです。

踏切に駅員が立ち、隣の雑色駅の駅員とやり取りしながら、選手の場所を把握し、選手と選手の間を縫って電車をサッと通して、また選手を通して…そんな涙ぐましい努力をしていました。しかし京急蒲田は、2012年に完全高架化。踏切もなくなり、駅伝を気にせずに電車を走らせることができるようになりました。駅伝問題と同時に、交通渋滞も解消。みんな幸せになったとさ。

あ、間違えた。みんな幸せになったように見えました。しかし、京急蒲田は大きな問題を抱えて高架化したのです。当事者にとってはたまったもんじゃないですが、傍から見ている分には面白いので紹介します。

高架化工事。ついたあだ名は「要塞駅」

普通、「高架駅」といえば、地面から1段上がったところにホームをつくり、そこに電車を止めます。京急もそうしました。しかし京急蒲田の面白いところは、高架駅の上にもう一つ、高架液を作ったこと。京急蒲田はおせちの重箱のように、二段重ねの駅になったのです。

そのため、例えば横浜から空港に行こうとした場合、横浜から来る電車は2階に止まり、空港方面は3階にとまるので、乗り換えのために一つフロアをのぼって乗り換えないといけないという、ちょっとめんどくさい駅になりました。

駅を外から見ると、3階建て。さらに空港線の急カーブは地上時代から引き継がれ、さらにこの急カーブも二段重ね。その出で立ちはホントの「要塞」のようです。

なので、ご覧のように硫黄島や…

西洋の要塞の一部に京急蒲田を合成しても、

あまり違和感を感じないのは私だけでしょうか。

さがしてみよう

いまや、通勤客を泣かせてる駅。

しかし、この「二段重ね」は都内の地下鉄ではよくあることですし、地上の駅に限って見ても愛知県の太田川駅などに見られます。珍しさという意味ではぶっちゃけ大したことないのです。

実は、京急は二段重ねを超える巧妙な罠を、要塞の中に仕掛けました。

たとえば、京急蒲田にいると、こんなアナウンスが聞こえて来ます。

「まもなく、当駅止まりの電車が通過いたします!」

え?

この駅が終点なのに、

通過?

おかしな話です。終点を通過したらそれはオーバーラン、ちょっとした事件か事故となってしまいます。


終点を通過したかつての名古屋鉄道

でも大丈夫!京急蒲田では毎日のように、終着列車が終着駅を通過しているのです。仕組みは、その配線。いつものアレ、行きましょう。

京急蒲田が二段重ねなのは既にお伝えしましたが、それに加えて「切り欠き」があります。ホームが包丁のようになっているのがおわかりになるでしょうか?その持ちての部分がホームの「切り欠き」です。

画像のかけた部分には、本線から分岐して線路が伸びています。これが、当駅止まりの電車が通過する理由。品川方面からやってきた各駅停車は一旦本線ホームを通過して、切欠きホームに突入していきます。そして後続の列車と接続するのです。

こうした、限られた空間を活用する匠の技により、京急蒲田では階段の登り降りをせずに快特から普通に、また普通から快特に乗り換えられるのです。

その結果、生まれた要塞では、今日も切り欠きホームと本線ホームの距離がありすぎるために、乗り換えでダッシュを強いられるサラリーマンで溢れているのでしょうか。ちなみにこの「乗り換えでダッシュする現象」をひとよんで、「蒲田行進曲」といいます。テストに出ます。

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山内淳史 Atsushi Yamauchi

1995年愛知県生まれ。大学時代に先輩に騙されて入った携帯屋のアルバイトでスマートフォンの魅力を知る。 機種の外観だけでスマホのメーカーと型番がわかるようになった頃、旅行にハマり、アルバイトの収入の大半を旅行につぎ込むようになる。おかげで日本中の人と地元トークができるようになり、その謎知識から現在の職場では営業先の地方にいるお客様を不必要にビビらせている。 ブログ歴は8年。現在のブログは3代目。 「手のかかるロビンソンだなぁ」(isuta1205.com)のほかに寄稿多数。 「KOKACARE」(http://healthcare.halfmoon.jp/blog/) 「EDIT知多半島」(http://chitahantou.net/)など。

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