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【旅行】沖永良部島(おきのえらぶじま)滞在記 〜3日目〜完結編

8月24日


☆出発の朝


朝。いつもより早く、目が覚めた。時計は5時半を指している。

沖永良部島滞在記~序章~(那覇空港まで)
沖永良部島滞在記~1日目~(那覇空港~民宿)
沖永良部島滞在記~2日目・午前~(ジョッキヌホー~田皆岬)
沖永良部島滞在記~2日目・午後~(DKあし~西郷南洲顕彰館)
沖永良部島3日目(神の営業マン現る~2000円札への殺意)

昨日の夜に飲むつもりだったがお金がなく断念したため、せめてお金のかからない楽しみを一つ二つしておこうと思い、まだ目も覚めやらぬまま原付にまたがって知名の集落を抜け、ウジジ浜へ向かった。

まだ、東の空がにわかに明るいだけの浜辺。
船のモニュメントの輪郭が、日が出るごとに明らかになっていく。そして波は、この島を訪れた2日前に比べて、はるかに穏やかだ。きっと船には、無事に乗れるだろう。

さっそく港に連絡を入れて、島にいくつかある港のどこから船が出るかを問い合わせる。当日の入港前にならないとどの港に着くかわからないのだ。なんならウェブ告知のようなものもない。

港はイノベ港らしい。ああ、困ったことになった。バイクの返却は島の反対側である和泊町なのだ。数キロの道を炎天下の中、歩かなければならないかもしれない。頭の中に日本史で習った、「バターン死の行進」の画像が浮かび上がった。

そんなモヤモヤを抱えて、朝9時。チェックアウトついでにモーニングをしようと、下の階にある喫茶店へ足を運んだ。


☆営業マンに救われる


喫茶店には既に先客がいて、アイスコーヒーを飲みながらタバコを吸っていた。島を巡りながら営業をしている人らしい。

ここでも、案の定、名古屋から来たことを伝えると、名古屋から!こんなところまで!と、所さんのダーツの旅で番組スタッフが「僕たち東京から来たんです!」と伝えた時の第一村人のような反応をする。

ことの顛末を話したところ、「今日は一つ営業先を回れればいいし、時間もあるから和泊で集合して港に連れて行こうか?」との提案。

神だ。

神は天におわすのではなく、沖永良部島におわすのだ。

チェックアウトと、コーヒー代を支払う。この時点ですでに財布の残りは5000円を切っている。

那覇港までの船賃は4320円…ガソリンスタンドがデビットカード非対応であれば、私の冒険はここで終わってしまう。いくら神がいるとはいえ、お金を借りるなんて自分のプライドが許さないし、なにより面倒くさい。

神と連絡先を交換して、和泊へバイクを返却しに行く。
燃料メモリはちょうど半分くらいを指していた。
和泊の出光で燃料を入れてもらう。沖永良部島にはセルフスタンドなどと言うものはなく、全てガソリンスタンドのスタッフがやってくれる。ガソリンスタンドには、職場体験か何かだろうか、たくましく日焼けした中学生男子も2人いた。

さて、早速燃料を注入し始める。胸がドキドキし始め…るまでもなく、注入がおわる。なんとたったの3リットル、330円だ。島を100キロほど走ったのにもかかわらず。

後ほど知ったことだが、原付はかなり燃費が優秀な乗り物なのだとか。知らんかった。

さて、そんなわけでお金の心配は杞憂に終わり、神とレンタバイクの店の前で待ち合わせをした上で、伊延港まで営業車のプリウスでヒューンと送ってもらう。ありがたいこと、この上ない。気温は30度をゆうに超える山道。徒歩では厳しかったろう。


☆船に乗る


営業の神とともにドライブした数十分。このプリウスの涼しさを私は忘れないだろう。そんな神の眼鏡の奥にひっそりと潜む、慈愛に溢れた微笑みを認め、伊延港で別れた。

私が乗る船は、30分遅れくらいで、港についた。

接岸した後にフェリーのワイヤーがゆっくりと動き、入口へ向かうタラップが降ろされる。そして船の前後にある巨大な跳ね橋の様な入り口も降ろされ、フォークリフトが忙しそうに荷降ろしと積み込みを始める。

今回の船は、行きの船よりも内装が豪華で、こぶりながらもゲームセンターや浴場がついている。そのかわり二等船室は完全な雑魚寝で、行きの船にあった仕切りもない。

とりあえずブラブラとお土産屋をのぞき、少ない所持金のすべてをはたいて晩御飯と「がじゃ豆」と呼ばれるお土産を買う。あとは暇なので、iPadでお絵描きしたり、昼寝したり、ぼうっと景色を眺めて過ごした。


☆沖縄着


船の甲板から、那覇空港に着陸していく飛行機や、沈む夕日、そして徐々に明かりが灯っていく沖縄市の景色をしっかりと目に収め、船は那覇港に到着した。人々はタクシー乗り場に並ぶが、私はお金がないので徒歩でモノレールの駅を目指した。

あとは帰るだけだ。

そう思っていた。

しかしここでまた変なトラブルが起こる。お金が必要だからと旭橋駅近くのローソンのATMを弄くり、6000円をおろす手筈だった。たしかにATMからやってきたのは6000円だが。

なんと、すべて2000円札なのだ。

17年前にただのネタで発行されたオワコン紙幣ではなかったのか。

何処かで話に聞いたことがあるが、沖縄ではいまでも普通に2000円札が流通しているのだとか。

しかし、私は愛知県民である。しかも現金の主な使い所は券売機や自販機など、2000円札を受け付けないところばかりだ。

なんなら使えるお店で使ったとしても、アルバイトの高校生は自分が生まれる前に発行されたこの札をみてどう思うだろうか。

「店長に確認してきます」

なんて言われたら死にたくなるだろう。
もしある程度知識があって、2000円札を知っていたとしても、

「さっき変な客が2000円札使ってたの、まじ笑けることね?」

とバックヤードでのネタとされるだろう。

結局、2000円札は沖縄では流通しているのだよと、おみやげとして友人に1000円札2枚と引き換えてもらった。ふと、高校の頃習った、兌換紙幣ってなんだろう、と思う。

なにはともあれ無事に空港につき、シークワーサー味のファンタを飲みながら、スカイマークの飛行機でセントレアへと向かうのであった。

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これにて、おしまい。

山内淳史 Atsushi Yamauchi

山内淳史 Atsushi Yamauchi

1995年愛知県生まれ。大学時代に先輩に騙されて入った携帯屋のアルバイトでスマートフォンの魅力を知る。 機種の外観だけでスマホのメーカーと型番がわかるようになった頃、旅行にハマり、アルバイトの収入の大半を旅行につぎ込むようになる。おかげで日本中の人と地元トークができるようになり、その謎知識から現在の職場では営業先の地方にいるお客様を不必要にビビらせている。 ブログ歴は8年。現在のブログは3代目。 「手のかかるロビンソンだなぁ」(isuta1205.com)のほかに寄稿多数。 「KOKACARE」(http://healthcare.halfmoon.jp/blog/) 「EDIT知多半島」(http://chitahantou.net/)など。

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