【旅行】沖永良部島(おきのえらぶじま)滞在記~2日目・午後~

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ニュートリショニストDKあし


さて、ここまで、1日の9割を屋外で過ごしている。

しかも朝から何も食べていない。フラッフラである。

仕方がないのでグーグルマップをみる。

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すると、田皆の街に、カフェのマークがポツリとある。

「ニュートリショニスト」という聞き覚えのない店名である。

怪しい。

(…ひょっとして変な宗教系のカフェかもしれない…)

いやカフェ好きの私でも、

そんな宗教がらみの店は聞いたことがないのだが、

しかしここは孤島なのだ。何があっても不思議とは言い切れない。

とはいえ、代わりに手頃にラーメンが食べられるような都合のいい店はあるはずもなく、

いわゆるチェーン店もこの島にはない。

ココイチも、丸亀製麺も、サイゼも、マックも、スタバも、ドトールすらない。

いやドトールくらいならあっていいだろう!!!作れ!!!


仕方ないので、ニューなんちゃらへ向かう。

ええと、郵便局を曲がって、「田辺商店」を左折して…


しかし今度は、なかなか店にたどり着かないのである。

自分は土地勘が結構ある方だと思っていたが、

それでも店にたどり着くまでに、

グーグルマップを3回は見直しただろう。


そんなこんなで、店にたどり着いた。

着いてまず、一言。

普通の民家じゃん!!

店に入ると待っていたのは、忙しそうに働く、おばちゃん。

店員さん、とか、

おかみさん、みたいな言い方はあると思うのだけど

、ここではおばちゃんっていうのが一番しっくりくる。


どうやら、いまはお店が満席のようだ。

たいてい、カフェというものは満席なら待たされるところだが、

ここではなんとソファーを引っ張ってきて、席を増やしてくれた。

「和風ハンバーグなら15分でできるけどー?」

「なら、ぜひそれを!」

朝から何も食べていないので、

早く出てくるならそれが一番いい。

いつも以上に判断力のない判断である。


店内は、半分ログハウス、半分ダイニングキッチンといったところ。

いかにも主婦みたいな人たちの会話が、

どの机でも途切れない。

ここにひとり旅の男が居座っているのはちょっと場違いな気がするが、

慣れっこなので気にしないでおく。


待っている間、グーグルでこの店について調べてみる。

どうやら、ニュートリショニストというのは「栄養士」という意味らしい。

怪しくないことがわかったし、英単語の勉強にもなる。

これだけでも、来た価値があったというものだ。


そうこうしているうちに、

和風ハンバーグのプレートランチが運ばれてきた。

雑穀のご飯と、和風ハンバーグ、マカロニとからし付きの芋、

豆腐、サラダ。ゴーヤが入っていて南国らしい。

どれもこれも美味しい。1人で食べに来たのが惜しいくらいだ。


食事が終わりかける頃、

隣の席に座っていた団体がごっそりいなくなったので、

お店の方と話をするチャンスを得た。

「どこから見えたの?」
「名古屋です」
「へえー!ナゴヤ!」

どうでもいいが、この島の人は「和やか」のイントネーションで

ナ↓

ゴ↑

ヤ↑

という。

標準語ではご存知のように名古屋だし、と強がってみる。

ちなみにネイティヴ名古屋人は、

「日比谷」と同じアクセントで「なごや」という。


観光で来て、与論で抜港されて来たことを告げると、「へえー今日も抜港だったんだ」と驚かない。

与論は港が外海に面しているのでちょっとでも波が高くなると抜港されるんだとか。

で、抜港が続くと新聞も届かずに不便するようだ。

私の地元は毎朝だいたい四時くらいに新聞配達のバイクの音が聞こえ、ポストに中日新聞が入っている。

しかしこの島では、新聞が届くかどうかすら、不確実なのだ。

いっそ島民全員にKindleでも配布してネット経由で紙面を読めるようにすればいいのにと思うが、

印刷屋の兼ね合いなど面倒なのだろう。


ただそれでも、確実にネットの波はこの沖永良部島にも押し寄せているようで、

このお店もつい先日、グーグルマップに店が載るようになったらしい。

私がグーグルマップを見てこの店に来たことを告げると、

ガッツポーズで喜んでいた。おばちゃんのくせに可愛い。


話を聞くと、沖永良部の飲食店で検索してくる人はいるらしいが、

私のようにがっつりとグーグルマップに頼って訪れる人は今までいなかったそうだ。

おばちゃんはすっかり機嫌をよくして、

”グーグルマップで到達第一号”

である私にヨーグルトとオートミールで作られたクッキーをサービスしてくれた。

食後のデザートには申し分のない美味しさだ。


今度はいつ来るの、と聞かれ、

大学4年だから次来られるかどうかと伝えると、

「じゃあ新婚旅行だね!」

という。なんともポジティブな提案だ。

島の人たちはみんな気さくで前向きだと感じる。

昔行ったフィリピンでも感じたが、南の島の人々はおおらかな性格の人が多い。

私も「新婚旅行はモルディブ」と考えていたが、

沖永良部もいいかもしれない。


フーチャ


DKあしに別れを告げて、バイクにまたがる。

ここからは、今いる田皆からほぼ島の真逆まで、

一気に駆け抜けていく。

次に目指したのは「フーチャ」と呼ばれる、

波しぶきが作り上げた大穴だ。


この海岸の作られ方はこうだ。

  1. 波が岸壁にぶち当たり、崖の土手っ腹を削る。
  2. それが繰り返されていくうちに洞窟のようになる
  3. 洞窟に当たった波が、上へ上へと穴を大きくしていく。
  4. しまいには地上に吹き抜けるように穴をあけてしまう。

今でも台風が来ると、岸壁にバッシャーンと当たった波が地上に吹き上がり、ひどい波では70メートルも跳ね上がるそうだ。


このフーチャは、本当に周りに何もない荒涼とした場所にあり、

穴の周りを歩けるようにコンクリートでそれとなく舗装がされているが、

手すりや柵は一切ない。

落ちたらゴツゴツの岩に頭をぶつけるか、荒波に揉まれるかで、

命拾いしても崖を登れず、助けを呼ぶにも周りに何もないため、

確実に死んでしまうだろう。

要は気をつけて見学してください、ということだ。


田皆岬といいこのフーチャといい、

沖永良部島の自然は本当にワイルドだ。

こうしたワイルドな自然を押し出したプロモーションをすれば、

もっと観光客も増えるだろうにと思う。

しかし観光客がいないのがこの島のいいところだから、

このままでいいのかもしれない。


この日は波が穏やかだったから、

波が吹き上げる姿は見られなかった。

でも、これは本当に貴重な景色だと思う。

なぜならこの景色は荒波が作り出したものだが、壊すのも荒波だ。

いつか嵐や潮風で風化した岩場が崩れ、

この景色は過去のものになるだろう。

そうなる前にこの目に焼き付けられたのだから、私は幸せ者だ。


日本一のかじゅまる


フーチャから1キロも離れていないところに、

この島の名物である、日本一のがじゅまるがある。

がじゅまる、というのは、そういう名前の木だ。

国頭(くにがみ)小学校の敷地内に昔の卒業生が植えたものが、

伸びに伸びて、横幅が教室くらいに広くなってしまった。

実際、この樹の下で読書会が開かれていたりするらしい。

大木、というには大げさだが、その異様な風景は見ておいて損はないだろう。

横に大きく広がり、

かつて建てられたガジュマルの説明が書かれた石碑さえ飲み込まんとするガジュマルは、

そのポケモンのようなネーミングとともに深く記憶に残ると思う。


暑い


さて、この時点で時刻は16時ほどだ。

できるものならもっともっと走り回って島を一周してしまいたいほどだが、

だいたい7時間くらい外にいるせいもあってか、身体中の皮膚がヒリヒリしてくる。

そう!日焼けだ。

宿を出発する前に、確かに日焼け止めスプレーをしたはずなのだが、

効果が薄かったのかもしれない。

いや、日焼け止めスプレーという存在自体、効果が薄いのかも。

顔を真っ赤にしながらそんなことを考えていた。

いっときは島の東端に行ってみようかと思っていたが、

そんなことをしていたらきっとこんがり肉になる。

代わりに室内で何か見学できるところはないかと、グーグルマップを開いて見た。


西郷南洲記念館


すると比較的近くに「西郷南洲記念館」がある、ということがわかった。

西郷南洲とは西郷隆盛のことだ。

政争に巻き込まれた西郷隆盛は、

ここ沖永良部島に配流されたようだ。

記念館はこじんまりとしているが、

西郷隆盛の人生であまり注目されることのない、

西郷の苦難の歴史をここで知ることができる。

宗さん、というスタッフが頼んでもいないのに、ガイドをしてくださった。

入館料は200円。コスパ良すぎだろう!!!!

宗さんに案内され、西郷隆盛が遺した書や、人生に対する考え、

さらにもうじき始まる大河ドラマについても詳しく教えてくれた。

1時間もあれば見終わってしまう記念館だったが、満足度はかなり高い。


金がない!


という具合に1日が終わった。

明日の昼には出かけなければということで、

今夜くらい飲んでもいいだろうと思っていたが、ここへきて問題発生。

船賃、宿代を払ってしまうと、

ちょうど財布の残高が0円になるのだ。

しかもレンタバイクのガソリン代も払わなくてはいけない。

いったいどれだけ燃料を使っているのか、普段原付に乗らない私にはさっぱりだし、

クレジットカードは年末旅行のための航空券を買ったせいもあって、

もう限度額に達している。

「オワタ」

もう、あまりむやみやたらに動かない方がいい。

家でじっとしていればお金は減らないということを21年の人生で学んでいたので、

ここは部屋に戻ってゆっくりすることにした。

寝落ちする数秒前、なぜか撮影した写真。 おかげで翌朝には、スマホの電池が切れていた。

そして翌朝、出発の日を迎える。

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山内淳史 Atsushi Yamauchi

山内淳史 Atsushi Yamauchi

1995年愛知県生まれ。大学時代に先輩に騙されて入った携帯屋のアルバイトでスマートフォンの魅力を知る。 機種の外観だけでスマホのメーカーと型番がわかるようになった頃、旅行にハマり、アルバイトの収入の大半を旅行につぎ込むようになる。おかげで日本中の人と地元トークができるようになり、その謎知識から現在の職場では営業先の地方にいるお客様を不必要にビビらせている。 ブログ歴は2009年から書いており10年目。現在のブログは3代目。 「手のかかるロビンソンだなぁ」(isuta1205.com)のほかに寄稿多数。 「KOKACARE」(http://healthcare.halfmoon.jp/blog/) 「EDIT知多半島」(http://chitahantou.net/)など。

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